8 植物によるマイクロバイオームの選択
【論文タイトル】Successive passaging of a plant-associated microbiome reveals robust habitat and host genotype-dependent selection
【著者】Morella et. al.
【年】January 2020
【ジャーナル】PNAS
本論文は、植物とそれに関わる微生物についてです。
一部の微生物は植物と共生することによって、栄養を交換したり、環境ストレスから身を守ったりします。
しかし、共生関係にある微生物が葉のマイクロバイオームの中で強く選択されるのか、
またその選択は安定しているのかは未解明でした。
そこで、著者らは microbiome passaging アプローチによって、
トマトの葉のマイクロバイオームに植物宿主による選択がかかるのか調査しました。
具体的にどうしたかと言うと、
様々な成熟トマトの土壌から得たさまざまな菌液(マイクロバイオーム)を
30のトマト(5遺伝子型, n=6)にスプレーしました。
その後、2週間齢のトマトの葉から得た菌液を週1回トマトにスプレーしました。
この作業を4回行い、各週のサンプルをPassage 1 (P1), P2, P3, P4としました。
そして、P1 ~ P4 のサンプルに対して、16S rRNA アンプリコン解析を行い、各サンプルにおけるマイクロバイオームを調べました。
その結果、初期のPassageであるほど植物の遺伝子型が葉圏マイクロバイオームに与える影響が大きく、後期であるほど小さかったそうです。
時期によって、植物による葉の微生物に対するコントロールが違うとしたらおもしろいですね。
【引用】