11 腸内細菌が子供の心に影響する?

【論文タイトル】Gut Feelings Begin in Childhood: the Gut Metagenome Correlates with Early Environment, Caregiving, and Behavior

【著者】Flannery et. al.

【年】October 2019

【ジャーナル】mBio

このごろ、腸内細菌については話題が尽きないですね。

がんとの関連性が説かれたり、ヒトの性格まで変えると言われたり。

腸内細菌の論文紹介シリーズをつくってみたら、おもしろいかなと思ったりしています。

(ほんとにやるかはわからないけど)

というわけで、今回はアメリカからの腸内細菌の論文についてです。

子供たちの心の発達には環境が影響します。

環境によっては、一生を通して悪い態度や精神疾患を取る子になってしまいます。

そのようななか、腸内細菌が早期の子供の道徳心の発達に影響するということが言われています。

腸内細菌自体は、早期の心理社会学的環境によって変えられると言われています。

しかしながら、腸内細菌とヒトの心の関連性について調査した研究は意外と少ないです。

そこで、筆者らは子供と腸内細菌の関係をメタゲノム解析によって調査しました。

筆者らはまず、アメリカの太平洋北西地域の中規模都市の子供40人とその両親に、その家庭の経済状況や、態度、腸内細菌の変化に関わる行動(抗生物質の服用など)、一週間の食事などについてアンケートをとりました。

その後、子供の便から腸内細菌のDNAを抽出し、メタゲノム解析を行いました。

その結果、腸内細菌の種類と子供の発達に重要な時期の態度が関連性を示すことが明らかとなりました。

さらに、社会経済的なリスクと子供の態度がある特定の細菌 (BacteroidesBifidobacteruum) と関わりを持つことも分かりました。

また、認知や健康に関連するモジュールも同様に関連性を示しました。

不安感や悲しみといった環境ストレスは、子供の腸内細菌を変化させてしまうのですね。

親の愛情が子供の心の健康に大事といいますが、

これが科学的に証明されてしまう日がくるかもしれませんね。

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